明日の伝説

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スーパー戦隊シリーズ46作目『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022)第11話感想

 

ドン11話「イヌのかくらん」


脚本:井上敏樹/演出:山口恭平


<あらすじ>
獣人が人間界に現れたビジョンを見たソノイは桃井陣の元へ。陣は獣人の出現はあり得ないと言いながらも、獣人の作る折り紙に気を付けろと助言する。飲食店で働いていた犬塚翼は刑事の狭山に見つかってしまう。翼は異空間に逃げるが、追いかけてきた狭山がひょう変して……。


<感想>
もうこれ完全に「仮面ライダーアギトじゃないですか展開が……ここに来て第三勢力まで出すとかなあ。


まあ何となく予想はしてましたけど、やっぱりタロウは脳人側の人間っぽいというか、そもそも指導者が同じだったというのは予想できた展開です。
で、なぜ「アギト」なのかと言ったら、何となくドンブラザーズ=アギト側、脳人=警視庁チーム(G3ユニット)、獣人=ギルスというカテゴリに近いんですよね。
そもそもタロウ自体が翔一君ベースのキャラと言いましたが、脳人は対照的に全員美形で揃えてる感じがクールなG3チームという感じがしますし。
んで、獣として見境なく人を襲う獣人はギルスのイメージがあり、今回獣人になりかけた犬塚に何となくギルスで苦しむ葦原と重なりました。


そして何よりも驚きだったのがまさかの雉野の妻・みほが獣人だった説がラストで浮上したことであり、個人的にはどうしてもこの夫妻のことが引っかかって仕方ありません。
井上先生、雉野には失うものがないってまさか「みほは元々人ならざる存在だから、形の上では結婚していても心は決して夫婦ではない」とかいうんじゃないでしょうね?
もしかしてみほが雉野の奥さんとして堂々としていたのも、いわゆる芯の強いアゲマンというよりそもそも人ならざる存在だから、雉野にさしたる興味がなかったとか?
そしてそのせいで犬塚と恋人関係にあったのも単なる遊びの範疇だったと……なんかもう昼ドラ通り越してホラー映画の領域に突入しましたが、これは今年の戦隊同人界隈はすごいんじゃないでしょうか。


というか、井上敏樹先生や小林靖子女史がメインライターを務める作品って絶対にそっち方面の受けを半分故意に狙って描いてるところあるんじゃないかなあと思うのですが、今回でそれが確定。
ただ、そうなるといわゆる獣人とヒトツ鬼との区別や勢力図がややこしくなるので、その辺りの補足説明はきちんとスッキリさせて欲しいところではありますが。
井上先生って基本的に捻れに捻れさせて話を展開する人なので、難解というよりは煩雑になってしまうことが無きにしも非ずというのがなあ。


後、脳人とドンブラザーズは指揮者が実は同じだったというのはいいのですが、決して安易に馴れ合って欲しくはないなあと思います。
大丈夫だとは思いますが、いわゆる「タイムレンジャー」のタイムレンジャーとタイムファイヤーみたいにきちんと一線を引いて展開して欲しいところです。
昨今は何かと「とりあえず強い敵が出てきたから力を合わせてみんなでGO」みたいな中身のないクソ展開が多くなっているので(例:「ドラゴンボールヒーローズ」)。
竜也たち5人と滝沢直人は利害が一致すれば協力はするものの、あくまでも相容れない立場にあるというのが面白かったわけですからね。


これで終盤にタロウが「みんな!ここは争ってもしょうがない!俺たちで力を合わせて戦うぞ!」みたいになって脳人がドンブラザーズと徒党を組み和解するなんて展開だけはして欲しくありません。
まあ井上先生だからそんな安いことはしないでしょうが、かと言ってないとも言い切れないのが怖いので、きちんと打ち出している設定やテーゼはきちんと処理して欲しいところです。
後、何でニンジャなんだろうと思いましたが、まさか「隠密剣士」「仮面の忍者赤影」を書いてた父親へのリスペクト……ではないだろうから、単純に「ニンニンジャー」のパロディ要素と見るべきか。
どっちにしても、いわゆる強化モードが出てくる理由としては今ひとつ必然性が薄いので、この流れだと「敵が獣人にパワーアップしたからこっちも強化形態を出す」としか見えません。


仮面ライダー555」のあたりからどうにも白倉・井上コンビって玩具販促というか商売が雑なところがあるので、もう少し物語上の意味づけや格付けをきちんとして欲しいなと。
つまらなくはないのですが、全体的に設定を盛りすぎて犬塚よりもむしろ他の部分の方に目が行ってしまったという印象、総合評価はC(佳作)というところでしょうか。

 

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