明日の伝説

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スーパー戦隊シリーズ46作目『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022)第2話感想

ドン2話「おおもも、こもも」感想


脚本:井上敏樹/演出:田崎竜太


<あらすじ>
ドンブラザーズになった事で不幸のどん底に突き落とされた はるかは、ドンモモタロウ・桃井タロウを探し出せれば幸福に戻れると信じて奔走。一方、街では“脳人”による人間消去が続発。
はるかは 桃井タロウに会えるのか?他のお供たちも何やら様々な不幸を抱えいるようで先行きが危うい?
破天荒なドンモモタロウとお供たちの物語はますます目が離せません!


<感想>
日曜朝からいきなり年齢の話はマジでやめてええええええ!(涙)


井上先生と白倉P、朝から何て生々しい話をぶち込んでるんですか?


ごめんなさい、もう私もアラフォーの領域なので流石にちょっと笑えない……ここに来て年齢の話とかもう井上先生も還暦を超えているせいか思うところがあったのでしょうか?
とりあえず、前回に比べて各キャラの背景設定周りが多少描かれるようになったこともあり、少なくとも前回よりは多少なりわかりやすくはなっていました。
ただし、面白かったかと言われたら別問題で、やっぱりまだ「パズルのピースが断片的にし示されている」に留まっていて、「これがドンブラザーズだ!」という決定打には欠ける感じ。
野球に例えるならバントやヒットで繋いで先制点はそれなりに稼げているものの、わかりやすい大ホームランが来ていなくて「ああもうじれったい!」というのに近いです。


とりあえず桃井が雉野・犬塚と出会い、はるかが猿原と出会うという実質のダブル主人公制になっており、そこに断片的に他3人のキャラクターが描写されています。
各メンバーの職場の日常も含めて描かれているのですが、戦隊レッド好きとして気になったのはやっぱり桃井タロウで、前回も思いましたがやっぱりタロウは翔一くんっぽい(笑)
いい性格してるというか、年齢を気にしている職場の女性に向かって「68」とバッサリ言ってしまうところはまんま翔一くんの「悪気がない天然毒舌」に近いです。
漫画に例えるなら、それこそラスト近辺でブルマに「おめえもすっかりオバさんだな」と言った孫悟空に近いというか、割と「人でなし」な側面が感じられます。


「縁が大事」と言いながらも犬塚に関しては「縁がなかったか」とバッサリ切り捨ててますし、リーダーなのに実は一番協調性がなさそうというのは実は戦隊において結構斬新。
このパイロットを見てある程度掴めたのはドンモモタロウ=桃井タロウはいわゆる「ドラゴンボール」の孫悟空パターンなのかもしれないということです。
いわゆる「戦闘狂」というやつで、コミカルに表現されているものの殺意は高めで、普段は細かいことにこだわらない大らかな性格ながらも、戦いになると人格が変わるみたいな。
まだ細かい背景設定が語られていないので正体がどんな奴かはわかりませんが、過去作などの事例も含めて私が考えたのは「実は桃井タロウが元脳人ではないか」説。


これは孫悟空が元侵略者の戦闘民族サイヤ人カカロットだったという背景と似たようなもので、カカロットも元は侵略目的で地球に送り込まれ、頭を打ってその凶暴な側面が消えて孫悟空になりました。
「アギト」の津上翔一=仮面ライダーアギトも実はこの応用みたいなもので、本名「沢木哲也」だったのがあかつき号事件によって記憶喪失となり、現在の津上翔一として生きているという。
思えば異次元から現れていたので、実は桃井タロウ=ドンモモタロウが元脳人のソノヨ(仮)とかで、後半その記憶を取り戻して人格豹変し、人類側に牙を剥くパターンもあり得るんじゃないかと。
そうでなければ、変身後に1人だけあんなに戦えることの説明がつかないですし(他3人置いてけぼりだったもんなあ)、育ての親・桃井陣も多分その辺りの事情をリサーチして掴んでいる可能性があります。


不思議なプリズンに収監中という設定ですが、これもおそらくは桃井タロウを育てつつ、彼の出自を独自に研究して迫って行ったときに脳人やヒトツ鬼などに行き着き、それへの対抗手段としてドンブラザーズを結成、みたいな。
で、戦闘後に戦隊ギアをゴーカイチェンジのように使っていたことと併せて考えると、本作は前作ラストで繋がった世界線の1つであり、五色田介人がオリジナルと全く違う感じのキャラ付けになっているのも納得できます。
……あー、こう考えていくと、本作は「アギト」でやり損ねた「クウガの続編」のリターンマッチともいえ、思えば「ゼンカイジャーの続編」という形でややひねりを入れながら作っていくつもりなのかもしれません。
このように見ていくと、鬼頭はるかたち他のメンバーがそれに巻き込まれた一般人枠であり、本作の世界観の骨子がレッドを中心に考察していくことである程度見えてきた気がします。


ただ、桃井タロウ=ドンモモタロウの正体はある程度予想がつくのですが、気になるのはそんな彼が「縁が大事」と主張している理由であり、これは翔一くんの言う「みんなの居場所を守りたい」みたいな感じなのか?
個人的にはもう興味ははるかよりもタロウに移っていて、とにかく彼の正体が気になって仕方ありませんが、井上先生のことだから後半で何かしら爆弾的な要素は抱えていると見ていいでしょう。
その上でうだつの上がらないピンク、訳ありの指名手配犯であるブラック、盗作という冤罪をかけられたイエロー、そして無銭飲食しながらも対価として俳句を読むブルー、という癖の強いキャラたち。
めちゃくちゃ高いハードルになっていますが、井上先生のことですからこの辺りもきちんとまとめてくれるのではないかと少しだけ期待が持てました、あとはここからどう展開していくか?ですが。


流石にもう全盛期のキレを取り戻すのは難しいでしょうが、小林靖子女史が手がけた「トッキュウジャー」も後半から面白くなってきたので、本作も面白くなってくれると信じています。
あとは役者の演技力かなあ……正直桃井タロウのキャラクターに対して樋口幸平氏がまだキャラをものにできていない感じがあって、変身前はともかく変身後の叫び声などに迫力がありません。
この辺り翔一役の賀集利樹氏は役得というか、変身後にあまり叫ばなくていいからその辺の違和感を少なくできた、というのは大きいのではないでしょうか。
感想というより考察になってしまいましたが、話の内容としては前回よりはわかりやすいものの、まだ様子見という感じで、総合評価はC(佳作)というところです。

 

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