明日の伝説

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スーパー戦隊シリーズ15作目『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)11・12話感想

 

 

第11話「危険な遊び」


脚本:藤井邦夫/演出:東條昭平


<あらすじ>
グレイはトランに「遊びも必要」というアドバイスを受け、自動販売機からジハンキジゲンを誕生させる。竜達のトレーニングルームに潜入したジハンキジゲンの仕掛けた罠、それは缶ジュースを飲んだ人間の性格を通常の正反対にするというものだった。突然表見した5人に小田切長官も困惑するが、5人は通常と正反対の性格になってしまったことで連携が取れなくなる。


<感想>
さて来ました、80年代戦隊シリーズのサブライターとして中堅どころを担っていた藤井脚本回です。
個人的には藤井脚本というと「チェンジマン」で凄くいいサポートをしたこと、また「ダイレンジャー」の大五と孔雀のロマンスがすごく印象的だった思い出があります。
そんな今回の内容はジェットマン5人が通常とは正反対の性格…すなわち「潜在意識」が表に出てしまうというものでした。
はっきりいって話そのものはそんなにひねりがあるわけではないのですが、ジェットマン5人の「横」の関係性について補強してくれたのはいいところです。


今回表現されていた5人の裏の性格はこのような感じでした。

 

  • 竜=怠け癖が強い
  • 凱=とても真面目
  • 雷太=孤独を好む一匹狼
  • アコ=繊細な乙女
  • 香=金にがめついケチな女


うん、とても納得な性格で、まずアコと香ら女性陣に関してはアコの方が器用ではあるけど内面は繊細ですし、逆に繊細そうな香の方が意外に神経が図太いんですよね。
そして男性陣が竜が雷太の、凱が竜の、そして雷太が凱の性格になってしまうという配置転換が良かったところで、特に雷太のチンピラ演技は見ものです。
今までもそうだったんですけど、意外と雷太って温和そうに見えて本気のスイッチが入ると凱っぽくなりますし、3枚目気質だけど意外と奥底は中二病ですよね。
竜と凱に関しても、竜は元々第1話の冒頭シーンで公私混同してリエといちゃついてましたから、むしろ今の完璧超人っぽく振る舞っている方が違和感があります。
また、凱もかなりワルではあるんですけど、ワルなりにきちんと筋を通していて最後はきちんと決めてくれますから、これも真面目な性格の表れでしょう。


そんな今回の見所は何と言っても「てめえ四の五の言わずに元に戻れや!」とヘリコプターの上から命綱なしで竜を落とす小田切長官です。
本作においてマリア以上の女傑として描かれている長官ですが、多分この人の正反対の性格はこの「容赦ないドS」にあるのだろうなと。
「本当の私は怖いのよ〜」なんて言ってますが、いやもう全然隠れきっていないので、寧ろ「うんまあそうだろうな」って思いましたよ。
こんなに仲良くトレーニングしてるジェットマンというのもちょっと早い気はしますが、戦いがなかったら意外とメンバーの関係性はさっぱりしているのかもしれません。


総合評価はB(良作)、内容自体は可もなく不可もなしといったところですが、サブライターだからこそできる横の関係性と正反対の性格を描いたのは良かったです。
これによってメンバーの関係性やキャラクター描写に幅が出て、単なる井上脚本の力だけで持っているわけではないところが本作がいい作品である所以だなと。


第12話「地獄行バス」


脚本:井上敏樹/演出:東條昭平


<あらすじ>
ある休日のこと、雷太と香は実家にバスで向かっていた。バスがトンネルに入った次の瞬間、バスの乗客のうち1人が悲鳴とともに消えてしまった。突然起きた失踪事件にパニックとなるバス内、すると1人が突然刑事を名乗ってバスを警察署まで走らせる。しかし、再び次のトンネルに入ると新たな犠牲者が出てしまい、車内は更なるこんなに包まれるのであった…。


<感想>
雷太と香が実家にバスで向かう途中に遭遇した事件、というサスペンス風の話が今回の内容ですが、今気づくとこれは「仮面ライダー」の2号編のピラザウルスで描かれたバステロのオマージュだと思いました。
あれをさらにサスペンスドラマ風にひねり、どんどん疑心暗鬼を生じるような流れにしていったところで、オチとしてバスそのものが犯人だったという、ぶっちゃけ内容自体は予想範囲内です。
しかし、こうしたサスペンスものを最後にきっちりと「戦隊ヒーロー」として繋げる作風、そして「誰が真犯人か?」とどんどん雲行きが怪しくなっていく過程がよくできています。
狭い密室の中のやり取りから生じるところのカメラワークが絶妙で、東條監督の手腕がしっかりと光っており、最後まで飽きずに見られるのがいいところです。


また、犯人がバスジゲンだとわかってからのホワイトとイエローの戦闘シーンがしっかり長めに描かれているのも、この回の良いところでしょう。
内容的には箸休めの回ではあるのですが、雷太と香という、実質第一話以来ほとんど絡むことがなかったほのぼのコンビの活躍という点でもよくできていました。
なんというか、この回で改めて気づいたのですが、香っていい意味で誰とでもフラットに接することができるパイプ役みたいなのがとても良いところですよね。
やや天然でお嬢様な部分はありますけど、竜や凱のような年上相手でも話せますし、年下のアコともお姉さんのような立場で接することができます。


また、雷太との関係性も悪いものではなく、まあ後の回でさっちゃんいるくせに浮気しようとするのですが、変に下心がない同級生のような絡みが面白いです。
雷太って凱みたいな潜在意識の部分を出しすぎなければ普通に良いムードメーカーではあり、アコがややこまっしゃくれた性格なので素朴な「良い人」なのが良いなと。
だから香にとって自然体でフラットに接することができる雷太の存在は香にとっては栄養源となっている部分があるんじゃないかと…もちろん「憧れの人」は別です。
密室に閉じ込められて2人きりになったところで、凱と違って全く危険性がないのはこのコンビが相乗効果で出しているマイナスイオンオーラにありますね。


ちなみに今回路頭に迷っていた女性を演じていたのは「フラッシュマン」のピンクフラッシュ・ルーを演じていた方であり、存在感が妙にありました。
内容的には本当に取り立てでどうということはないのですけど、テクニカルなサスペンスの脚本と戦隊ヒーローもののフォーマットの掛け合わせが見事です。
評価はA(名作)、1クール目はこれで終わりとなりますが、7話以降箸休めの回が続いたところで11話と12話がしっかり締めてくれています。

 

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