明日の伝説

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私がYouTubeをやらない理由について語ってみた〜大衆化したビジネスに旨味なし〜

先日、黒羽翔氏から「ヒュウガさんはYouTuberやらないんですか?」という質問をされ、他のフォロワーさんにも似たようなことを言われました。
結論から言えば「しない」なのですが、改めてなぜYouTubeをやらないのかという理由について語っておきます。
一部批判的というかネガティブコメントも目立つかと思いますが、あくまで個人的見解であってYouTuberの方々を批判するものではありません。
私自身はYouTubeも、そしてYouTuberも楽しく拝見していますが、自身がその作り手側に回ろうと思わないのにはいくつかの理由があります。

 

 

(1)YouTubeで語りたいコンテンツがなく、後発者利益が見込めない


1番の理由がこのブログ以外で語りたいコンテンツや発信したい情報が今のところは特になく、後発者利益が見込めないからです。
詳細は後述しますが市場が活性化して競争が激化している今のYouTubeで顔出しでやったところで、自分のキャラやポジション取りができるイメージが湧きません。
私が語りたいのは基本的に特撮・アニメ・漫画関連ですが、YouTubeで既に個別の作品の考察チャンネルはいくつもあります。
しかし、YouTubeで発信できるサブカル関連のコンテンツはほとんどの人がネットのwikipediaでも見れば簡単にキャッチできてしまう情報ばかりです。


それらに私からすればほとんど知っている情報ばかりで旨味がなく、かといってマニアックな突っ込んだ考察・批評ができる見込みもありません。
なぜならばYouTubeに求められるのは誰しもが気軽に見られる、食べ物でいえば吉野家マクドナルドのような広く浅いファストフードレベルのコンテンツです。
法規制もかかっている今下手に突っ込んだことを言ったり、過激なことをしたりすればたちどころに規約違反として訴えられ、最悪の場合アカウントごと凍結する可能性があります。
また、私が大好きなスーパー戦隊シリーズ系のチャンネルを調べてもほとんどが表面的な語りにばかり終始していて、深く鋭い批評を見ることも聞くことも叶いません。


もちろんそういう批評も皆無ではないのでしょうが、そういう人は大体言語化能力の高い人なので、YouTubeよりむしろブログなどで活動する方が向いています。
要するに「畑違い」というものであり、そもそもYouTubeという媒体自体がそういうことを語る場として向いていないし求められないのです。
今YouTuberとして活躍なさっている方々もそのことを承知の上でルールを遵守して動画制作・配信を行っているわけなので、私には向いていません。
仮に戦略を立ててやったところで後発者利益が見込める可能性も低く、ポジション取りができないであろうと思われます。


(2)動画編集などに時間を割かねばならず、費用対効果が悪すぎる


労働環境という観点から見た場合、動画編集やその他諸々で時間を割かねばならず、費用対効果があまりにも悪すぎることが挙げられます。
これに関しては、NHKの「プロフェッショナル」でヒカキンさんが出演なさった時にそのような動画編集や作業時間の方が多いことが語られていました。
YouTubeは基本的に広告収入なので、動画をしっかり作り込んだとしても再生数がきちんと反映されなければ収入には繋がらないし、今はプロ並の編集技術が求めらます。
チームで分担制でやる場合であれば話は別でしょうが、その場合でもやはり編集者の負担は相当なものになるので、気軽にというわけにはいかないのです。


いつだったか、ボンボンTVのえっちゃんとりっちゃんがモニタリングの動画で共演した時に、りっちゃんが以下のようなコメントを残していました。

 

 


「りっちゃんはどうなりたいの?ボンボン続けたい?」
「んー、まあでも、今と同じようなことは20代までかなと思う。やっぱね、27になった位か、その前後位に思ったのよ。「やっぱ体張り続けるのは無理だな」と、体力的に」
「そうだね」
「最近はそこまでなんだけど、ちょうどその時体張る企画が多くて、あのね…体が多分持たないなと思った」


動画の2:57〜3:25位までのやりとりですが、現在UUUMの主戦力の1つであるボンボンTVの2人ですらもこのようなことを漏らしているのです。
現にりっちゃんはそのことを見越してか今現在UUUMと違う会社に就職して生計を立てていますし、ましてや30代後半の私がとてもそんなことをできる時間も体力もありません。
もちろん無編集でやっても必ずヒットする(バズる)ホリエモン・Daigo・ひろゆきといった方々もいらっしゃいますが、この人たちは既にYouTube以前にビジネスで成功している人たちです。
教養も知性も半端なく高い高学歴の方々ばかりですし、話す内容の深さ・鋭さともに段違いのレベルなので、そのポジションに行けるかと言われたら厳しいものがあります。


YouTuberとして成功するには大きく分けてエンタメ系YouTuberとアカデミック系YouTuberに二分されると私は見ていますが、どちらにしたって成功するのはほんの一握りです。
その一握りに今から入ろうとすると相当に難しく、仮に収益化できたとしても先行者であるトップYouTuberのコンサルを受けて我慢強く実行し続けないと厳しいでしょう。
そしてそういう人たちは私よりも半端ない時間と熱量をYouTubeに注ぎ込んでいるわけであり、そんな人たちとタメを張れるレベルまで行こうと思ったら完全にYouTube一本に絞らないと不可能です。
そこまでやるだけのメリットが私には感じられず、それならまだブログで発信する方が何倍も楽だと思うためにここを選びました。


(3)既に大衆化したコンテンツであり、参入障壁が厳しくなっている


今やYouTuber自体が既に世間的な、もっと言えば国際的な知名度のある発信媒体ですが、逆に言えばもう既に大衆化したコンテンツであり、参入障壁が厳しくなっています。
素人が「〇〇をやって見た」でヒットする時代はとうに終わりを迎え、本格的にヒットさせよう、数字を伸ばそうと思うと上記したように徹底した分析と戦略が必要です。
これはYouTubeに限りませんが、どんなビジネスも黎明期〜成長期までに参加しておくのが一番旨味があり、先行者利益を得やすくなります。
つまりいかにブルーオーシャンを見つけてポジションを獲得できるかが重要であり、そういう意味でYouTubeはもうレッドオーシャンなのです。


もちろんまだYouTubeで未開拓の分野はいくつか残されているとは思われますが、少なくともエンタメ系に関していえば完全に飽和状態ではないでしょうか。
ヒカキンさんやはじめしゃちょーさんはもちろんのこと、現在活躍なさっている名うてのYouTuberでも高い再生数とチャンネル登録者数を維持し続けるのは大変です。
表向き楽しそうにやっている彼らですが、その裏では壮絶な努力と試行錯誤を繰り返しているわけであり、そのステージに立ったものにしかわからない葛藤・苦悩があるでしょう。
そう考えると、私がそこまでしてレッドオーシャンと化したYouTubeに今参入しても埋没してしまって確実に撃沈しておしまいであることが容易に想像できます。


ましてやこれははなおでんがんのはなおさんがnoteで本名名義で語っていたことですが、YouTubeは市場の成長速度が他のビジネスと比べてもかなり早いのです。
通常のビジネスが10年近くかけて成長するところを3年で成し遂げているのですからすごいと言えますが、ただその分衰退していくのも早いと思われます。
成長に時間がかかるということはそれだけじっくり焦らずに熟成させているということですから、時間をかけて成長していることになるのです。
しかし、その成長速度があまりにも早すぎると、その早い成長に対して心が追いつかず、バランスを保つのが難しくなるでしょう。


今の東映特撮もそうですが、もう既に参入障壁が厳しくなり大衆化してしまったビジネスに旨味はなく、成熟してトップに立てば後は落ちるのみです。
これはどんなジャンルのビジネスでも避けられない普遍の真理であり、一旦トップに立ったものがそれを維持し続けようとすると無理がたたります。
そういう理由もあって、私は今更そんな市場に参入しようとはとても思えないのです。


(4)結局残れるのは先行者利益を持つ上位層のみ


これを言ってしまえば身も蓋もないのですが、YouTuberでも結局生き残れるのは先行者利益を持つ一部の上位層のみなのです。
ヒカキン・はじめしゃちょー・ヒカル・ラファエル・フィッシャーズ・ボンボンTV・東海オンエア・すしらーめんりくなど既に先行者利益を獲得した上位層がYouTubeにはたくさんいます。
どれだけ新規参入が増えて世代交代が行われたとしても、トップで生き残り続けるのは間違いなく今名前を挙げたような上位層ばかりでしょう。
これは芸能界と全く同じことであり、日本の芸能界だって明石家さんまビートたけし小林幸子美川憲一タモリさんといった大御所が未だに座り続けています。


もちろん芸能界とYouTuberは厳密に言えば違うものなので一概に同列として語れませんが、どちらにしても今残り続けているのは間違いなく先行者利益を手にした上位層です。
後発者利益だってないわけではないですが、後出しジャンケン先行者に勝とうと思うと徹底した分析と戦略が必要であり、それは生半可な覚悟でできるものではありません。
徹底的にYouTubeを批評する目線を持ちながら、さらにそこから「まだこういうことができる」という独自の視点を演者として提供できる人、それこそが後発者利益で生き残れる人です。
しかしそのポジションには既にカジサックや中田敦彦YouTube大学などがありますし、今も48など沢山の後発者がいるわけであり、その人たちと競争しなければなりません。


つまり、もうポジションというポジションはほとんど残されていないわけであり、そんな状態で今からやろうとしても何も旨味はないでしょう。
大衆化して広まったビジネスにはもう旨味がなく、それならまだニッチな分野で頑張った方がいいのではないでしょうか。
幸い私の場合はまだスーパー戦隊シリーズをはじめとする特撮・アニメ・漫画関連の批評自体はニッチな分野なので、ここで何とか頑張っています。
以上が私がYouTubeをしない理由であり、整理も兼ねてここで表明しておきました。