明日の伝説

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スーパー戦隊シリーズ23作目『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999)1・2話感想

 

第1話「救急戦士!起つ」


脚本:武上純希/演出:小中肇


<あらすじ>
隕石がビル街に落下し、大規模な火災が発生した。それを受け巽兄妹のマトイ、、ナガレ、ショウ、ダイモン、マツリの5人が数年ぶりに同じ現場に揃い、それぞれの役割を全うした時に裁可した。するとその隕石から巨大な怪物が出現し5人を攻撃し、気絶させてしまう。意識が回復した5人はいつの間にか自宅に戻され、目覚めると10年前に失踪したはずの・モンドがアナライズロボ・ミントを通して連絡を取ってきた。モンドはその隕石の原因が惑星が十字型に並ぶグランドクロスによって生じたものだといい、10年もの間来るべき戦い備えレスキュー基地ベイエリア55を建造していた。5人はモンドの命令に従いゴーゴーブレスを装着させる。


<感想>
さて、「ギンガマン」を書いたので次は「ゴーゴーファイブ」に取り組もうかなと…前作「ギンガマン」が大変な人気作だったこともあり、本作がどうそのプレッシャーと戦ったのかも見ものです。
第一話の感想をガッツリ書いていくと、何となく「ウルトラマンA」の第一話を彷彿させる始まり方で、もうわかりやすく「特撮!特撮!特撮!」という感じの構成になっています。
歴代で見ても、こんなに特撮一色のパイロットも珍しく、いわゆる「救急」という側面だけをフィーチャーしたような始まり方は今見てもすげえ凝ってるなあと思うのです。
まあ前作のパイロットがあまりにもドラマとしての完成度が高すぎたので、同じ方法で勝負しても勝てないと判断して全編特撮という思い切った構成にしたのでしょう。


少なくともこの段階ではまだマトイ兄さんたちのキャラクターは掴めませんが、それでも5人全員揃った時に「兄妹」にしっかり見えるというのがいいなと。
兄妹戦隊・家族戦隊というと他に「ファイブマン」「マジレンジャー」、それから「ニンニンジャー」もそうなんですが、「ゴーゴーファイブ」はそのいずれとも違うんですよね。
ファイブマン」は何というか「兄妹」というよりも「同居人」「同僚」っぽく見えましたし、「マジレンジャー」「ニンニンジャー」の兄妹描写ってなんか家族っぽいですし。
その点ゴーゴーファイブの5人は本当に現実に居そうな兄妹って感じなのがとても良くて、特にマトイ兄さん、ショウ、ダイモン辺りのような普通っぽいビジュアルのやつがいいと思うのです。


まだこの段階だと見せていませんが、マトイ兄さんって歴代でも「熱い」を通り越した「暑苦しい」レッドで、西岡竜一朗氏の性格がそのまま反映されているのもありますが、決してビジュアルはイケメンじゃないです。
少なくともギンガレッド・リョウマやタイムレッド・浅見竜也のような好青年タイプとはまるっきり違うのですが、まあ確かにリョウマほど完成度の高いキャラクターに対抗しようと思ったらこういう系統しかいません。
しかも、だからと言って00年代戦隊のトレンドになってくる「バカレッド」とも違っていて、暑苦しいけれども知性や判断力はそれなりにあるというのがポイントが高いんですよね。
ただ、この段階だとマトイ兄さんに限らず他の弟たちはもちろんモンド博士まで含めて、キャラクターがつかめないから第一話を見た限りの印象だと掴みとしては及第点といったところ。


その上で個人的に笑ってしまったのが、役者さんたちもネタにしていましたが、救助活動でのピンクのセリフ。


「びるどでぃすちゃーじゃー!!」


救助活動用ツールのライフバードの部品の1つ「ビルドディスチャージャー」なのですが、ここの柴田かよこ氏のアフレコの棒読み感が酷い(笑)
よくこんな下手さでGOサインが出たなあと思うのですが、めちゃくちゃ緊迫した救助活動のシーンの中で、思わぬ笑いをピンクがくれました。
この時点で演技がまともに成立しているのがレッド、グリーン、そしてモンド博士くらいなのでこの時は特にブルー、イエロー、ピンクの演技の下手さに参ってしまいます。
まあそれでも「ジュウレンジャー」のメイ役の千葉麗子に比べたら全然マシな方ですけどね。


そして今回の見所は何と言ってもミニチュアでの特撮シーンで、ゴーライナーの運搬、救急マシンでの活動シーン、ビクトリーウォーカーにビクトリーロボと見せ場が贅沢にあります。
特に下半身だけで動くビクトリーウォーカーはよく考えたなあと思いますし、さらにそこからビクトリーロボに合体させる時もグリーンのホバーを使って合体させるのが面白い。
途中で敵が邪魔してくるところもリアリティある演出を目指したのでしょうが、リアルメカの合体シークエンスとしてはよくできているのではないでしょうか。
5人のキャラ紹介や敵組織ではなく、災害救出のドキュメンタリー映像を見ているような感覚で、評価としてはB(良作)といったところです。


第2話「竜巻く災魔一族!」


脚本:武上純希/演出:小中肇


<あらすじ>
宇宙から飛来してきた隕石は冥王ジルフィーザ率いる災魔一族による奇襲だった。戦いを終えたマトイたち5人が家に戻ると、勝手にモンドから確実の職場に退職届が提出されてしまう。そのことをマトイたちは問い詰めるのだが、モンドの天才ゆえのマイペースさにはぐらかされてしまうが、そんなことを気にする余裕もない次の災害が襲ってくる。巽家に突風とともに竜巻が発生し、マトイたちは救助活動へ向かおうとする。すると、そこでジルフィーザの幻影が姿を現し、人類に対して宣戦布告をかましてきた。マトイたちは果たして、この未曾有の侵略者相手に戦うことができるのだろうか?


<感想>
今回の見所は一人で勝手に名乗りを上げているマトイ兄さん(笑)


「人の命は地球の未来!どんな危険も厭わない…世界の平和を心に誓う、燃えるレスキュー魂!救急戦隊!ゴーゴーファイブ出場!」


ここでポカーンと息巻いている弟たちと妹に笑ってしまうのですが、このワンシーンだけで巽兄妹の関係性が何となく伺えてしまうのが大変面白いところです。
ああ、きっとこの兄妹はマトイ兄さんが猪突猛進に突っ走ってしまい、弟たちはそんな兄の暴走機関車ぶりについていけないというか、「また始まったよこいつ」って感じなんだろうなと。
歴代戦隊で名乗りのシーンってすごく大事ですが、そういえば前回はただ「スーツを着て救助活動しただけ」で「戦隊として戦った」というわけじゃないんですよね。
だからこそのこの名乗りなのですが、もしかしてマトイ兄さんって常日頃からこの名乗りをシミュレーションしてたのかなあ?


で、ドラマ的な見所はまだ少ないのですが、冒頭のシーンで描かれているのがモンド博士の身勝手さであり、歴代で見ても割と「どうなの?」と思うシーンです。
10年も姿を消して戻ってきた挙句5人の職場に勝手に退職届を出し、一方的にゴーゴーファイブに任命という、戦士になったきっかけとしてはかなり稀有なパターン。
ここは非常に注目すべきところなのですが、「ゴーゴーファイブ」が異例なのはそれぞれが救急のプロでありながら、戦士の任命自体に明確な理由がないということです。
なぜゴーゴーファイブがこの5人でなければいけなかったのか、実は明確な根拠や基準に関しては示されておらず、また5人がそれぞれの職場でトップクラスの隊員というわけでもありません。


この辺り、前作「ギンガマン」とは大きく違うところで、ギンガマンの5人はギンガの森という過酷な選抜競争を勝ち抜き、実力第一で選ばれた者たちでした。
歴代で見ても突出して高い使命感と戦闘知能を発達させた民族なのであり、第一話から生身でも普通に戦えるプロ中のプロです。
本作はというと、翻ってプロでありながら合理的な理由もなく偶然にこの5人が選ばれたというパターンで、自発的なものというより完全に一方的な選ばれ方でしょう。
まあそもそも武上氏がメインライターを務めた戦隊は「メガレンジャー」「ガオレンジャー」「ゴーオンジャー」のいずれもが偶然に戦士に選ばれたというパターンなのですが。
ただまあ確かに見知らぬ5人を任命するよりは兄妹5人の方がやり易いというのはあるでしょうけど…。


アクションシーンの方はというと、基本武装が銃と剣ではなく銃と警棒なのが異色で、バルカンスティックの系譜かと思われますが、今見てもかなり異色です。
ライフバードの必殺技「カラミティブレイカー」は好きなんですが、ただゴーレッドが無人の車に勝手に乗って突撃しているのはヒーローとしていただけませんね。
あとは巨大戦で倒しておしまいというところですが…うーむ、映像的には見応えがあるものの、どうしても5人のキャラクターと関係性が表面的にしか見えないのが惜しいところ。
「救急戦士」というコンセプト自体は大好きなものの、肝心の5人のキャラクターがまだ表面的にしか見えないので、物語的要素が薄めなのはやや乗りにくいです。


まあ戦隊シリーズに限らず特撮作品は第一話を勢いで見せて、第二話以降で徐々に説明というパターンが多いのですが、本作はまさにその典型と言えるでしょう。
現状でキャラクターが比較的立っていると言えそうなのがマトイ兄さんとモンド博士くらいで、あとの4人はこの段階だとまだ影が薄いです。
後々宮下隼一氏や小林女史も参戦してくれるので、もっと面白くなっていくのですが、滑り出し順調とはいかない抵抗飛行な感じがしてしまいます。
ここからキャラクターやストーリーが膨らんでいくことを期待して、評価は厳し目にC(佳作)といったところです。