明日の伝説

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スーパー戦隊シリーズ22作目『星獣戦隊ギンガマン』(1998)17・18話感想

 

 

第十七章「本当の勇気」


脚本:小林靖子/演出:長石多可男


<あらすじ>
ある日のこと、リョウマは勇太の夏休みの宿題である写生に付き合いつつ、川辺で稽古の訓練をしていた。リョウマほどの強さがない勇太は「リョウマたちほど強くない」と自信喪失しかけるが、リョウマは「力や技だけが戦士の条件ではない。本当に戦士に必要な強さや勇気はそこからは生まれない」と説く。一方バルバンの方では、ブドーがギンガの光が潜む場所としてビルを指定し、魔人傀儡太夫を送り込む。その作戦とは山奥の洞窟に工場を作り、人間そっくりの爆弾人形を作って町のあちこちに送り込んでビルを次々と爆破する。リョウマが街へ向かおうとすると、1人の青年が崖から落ち、リョウマはそれを助けようとするのだが…。


<感想>
さあやって来ました、ここから第二十六章までは黒騎士編となり、物語中盤の山場に入ります。リョウマと勇太少年の関係を中心に改めて「ギンガマンとはどういうヒーローか?」を掘り下げた名編。
まず冒頭のシーンから印象的で、リョウマが勇太に剣の稽古を行うところで、勇太が単なる視聴者代表からギンガマンのように強さを手にしようというのは納得の行く流れ。


「リョウマ、僕戦士になりたいんだ!リョウマや星獣たちが戦ってるのに、見ているだけじゃ駄目だよ!」


この発想は高寺Pが敬愛している古典的名作「ウルトラマン」のメッセージ「地球の平和は地球人の手で守ろう」という普遍的なものですが、それを本作なりに翻案した形。
逆にいうと、本作におけるギンガマンや星獣はあくまでもウルトラマンのような超越的な強さを持ったヒーローであることが示されています。
そしてここからのリョウマと勇太のやり取りがまた素晴らしいのです。


「でも無理だよね。アースも使えないし、剣も出来ないし」
「力や技だけが戦士の条件じゃないよ」
「何で?戦士にはそれが一番大事でしょ?」
「うーん、ただ暴れるだけならな。けど、戦士に必要な強さや勇気はそこからは生まれない」


ここで改めてリョウマが「戦士とは何か?」について教え説くわけですが、ここで大事なのはリョウマが言うからこそ説得力のあるセリフになっているということ。
よくヒーローもので「心の強さが大事」みたいなことを言う作品は多いのですが、それは「力や技が十分にある」ことが大前提だから成り立つのです。
ギンガレッド・リョウマは兄ヒュウガの代理人とはいえ、その戦闘力はメンバー中最強で、かつどんな困難も前向きに乗り切る(乗り切ろうとする)正義感の強さがありました。
そんなリョウマの強さを肉体面と精神面の両方から説得力を持って描いてきたからこそ、ここでの勇太への教えが単なる綺麗事に終わっていないのです。


「力や技だけが戦士の条件ではない」というセリフは言外に「まずは力や技を磨くことが条件」であって、まず十分な戦闘力が大事だとリョウマは説いています。
しかし、一方で力や技だけを磨き続けているとどうなるかというと、「シンケンジャー」がそうであるように力尽くで戦うヒャッハーな生物兵器が生まれるのです。
まあ「シンケンジャー」の場合は本作の逆を行く構造なのでヒャッハーな生物兵器になるのも当然なのですが、哲学者パスカルの次の言葉に集約されます。


「カなき正義は無能であり、正義なき力は圧制である。力なき正義は反抗を受ける。なぜならは、つねに悪人は絶えないから正義なき力は弾劾される。それゆえ正義と力を結合せねばならない」


リョウマが勇太に教えていることは言い換えればこれなのですが、これはあくまでも一流の強さをもったギンガマンが言うからいいのであって、力や技のない奴が言っても弱い自分を正当化するだけです。
これを「ギンガマン」以外の戦隊が言ったとしても説得力はないでしょう。例えば前二作の「カーレンジャー」の恭介、「メガレンジャー」の健太がこれを言っても説得力はありません。
あくまでも心身共に鍛え抜かれたプロ中のプロであるギンガマンの代表格であるリョウマが言うからこそであることを念頭に置いておく必要があります。
また、「力や技だけが戦士の条件ではない」というのは第四章でもハヤテとヒカルを通して描かれていたことでもあるので、その辺りもしっかり補強になっているんですよね。


一方バルバンでは、ゼイハブ船長に催促されながらも、サンバッシュと違って泰然自若と受け流すブドーは次の作戦を発表します。ちゃんと次を考えているところがサンバッシュと違うところです。


「歯車の 音は全てを 吹き飛ばし」


リョウマと勇太が来ていた山奥の洞窟でブドー魔人衆の1人である傀儡太夫が作り出した爆弾人形を作り上げ、次々と都市部に送り込まれていきます。
この「日常の中に突然現れる悪」というのは本作より3年前に起こった地下鉄サリン事件や2001年の9.11があったこともあって、非常にリアルティのある悪です。
爆弾人形は都市部に送り込まれるとビルの中で爆発し、さらにサラリーマン風の男も…この日常の中にいきなり現れるのが本作のファンタジックな世界観に異質の面白さを加えて来ました。
当然それを感知したモークから報せを受けたリョウマは街に向かう途中で隊列を組んで歩く人を見かけ、崖から落ちた青年を助けようと手を伸ばした瞬間に危うく自爆、甘さが出ています。


そして街中では未曾有の爆破テロが次々と起こっているため、凄まじい混沌に陥っており、もはやギンガの光動向のレベルじゃなくなって来ました。
モークは「人形なら息はしない」とサポートし、ハヤテたち4人は爆弾人形を探すために散らばり、山では勇太が勇猛果敢にリョウマを助けようとします。
ここでハヤテたち4人とリョウマ&勇太をうまく分断し、その上でリョウマをピンチに陥らせて勇太少年が戦う状況につなげているのが見事です。
物語中盤でありながら凄まじいテンションを前半たったの数分で生み出し、もはや完全な1つのサスペンスドラマに仕上がっています。


(戦わなきゃ。こいつらを倒して、リョウマを助けに行かなきゃ!)


途中で思うがけず傀儡大夫のアジトを発見した勇太はヤートットと戦うことになるのですが、ここでの緊張感の出し方もとてもいい。
基本的にヤートットは本作において基本やられ役として出て来ますが、勇太少年が襲われるシーンを描くことで一気に恐怖の対象へと変わります。
ヤートットが雑魚なのはあくまでもギンガマンと相対的に比較した時のことであって、一般人にとっては恐怖以外の何者でもありません
だからこそ恐怖で動けなくなっている勇太に迫り来るヤートットの刀が怖いところであり、あくまでも宇宙海賊バルバンは脅威なのだという演出が見事。
そこで満身創痍のリョウマが助け出すと、勇太は怯えながらリョウマに泣きつくのですが、ここが今回一番のハイライト。


「僕、駄目だった……」
「え?」
「殺されるって思った時、凄く怖かった。リョウマ!リョウマを助けたかったのに、戦えなかった。こんなんじゃ戦士になんかなれない!」
「勇太、言ったろ?戦士に必要なのは力や技だけじゃないって」


ここで冒頭のシーンのやり取りが落差として機能するのですが、勇太は力や技がない状態で戦ってしまってこういうことになった。
しかし、そこで終わらずにリョウマは今の勇太にかつての自分をオーバーラップさせながら、子供時代のことを語ります。
ウサギを助けようとして深い穴に落ちてしまい、無力さから泣き出してしまった…戦士失格だと思ってしまった。
しかし、そこでヒュウガが助けに来て、「戦士とは何か?」を改めて教えるのです。


「リョウマ、お前は戦士だ。誰かを守りたいっていう気持ちが本当の強さなんだ。怖くたってそれを乗り越えようとする気持ちが勇気なんだ」


ヒュウガの偉いところは単に厳しいだけではなく、リョウマが命を賭してウサギを助けた助けようとした勇気をしっかり認めているところにあります。
そんな人格者の兄を見て育ったからこそ、今度は自分がヒュウガのようになって、勇太を教え導こうとするのは非常によくできた流れです。
このリョウマとヒュウガの炎の兄弟、そしてリョウマと勇太の擬似兄弟の関係性はリョウマというキャラクターの人格形成に欠かせないものになっています。


「俺を助けに来てくれた勇太も、戦士だよ。だろ?」


ここで改めて、力や技も大事だけど、それ以上に大事なのが心から何かをしたいという勇気にあることが実感をもって勇太に伝えられ、非常に気持ちいのいい展開。
どうしても「強いヒーロー」となると、その裏側にあるはずの「弱さ」や「」といった部分が説得力をもって描きにくいのですが、本作は意識的にこの「力と心」の関係をしっかり見つめ直しています。
それは同時に3年前の「オーレンジャー」にはなかったものであり、どんなに強い力を持っていたとしても、その使い方を間違えてしまえばヒーローではなく生物兵器である。


「リョウマ、今も怖いって……思う?」
「うん、怖いさ。今も怖い。でも行かなきゃ」
「リョウマ、僕も行くよ」


まさに「自分にもある弱さを知れば本当のヒーロー」なのですが、本作はそれを「弱いヒーロー」ではなく「強いヒーロー」において描いているのが妙味。
一方でリョウマと勇太だけではなく、街中ではハヤテたちもまたブドーを相手にするのですが、ブドーがこれまた圧倒的な強さです。
剣術のプロというだけあって、サンバッシュと違い4人を次々と圧倒していきます…戦闘力最強のリョウマですらもおそらくは厳しいでしょう。
未曾有の危機にギンガマンもかつてないピンチなのですが、そこでリョウマと勇太が基地そのものを食い止めることに。


リョウマが陽動作戦で傀儡太夫を相手にしながら、その隙に勇太が敵のアジトを自在剣機刃で破壊し、着々と伝説の戦士へ近づいていきます。
ここで、第七章の投石に続き、勇太がまたもやギンガマンたちを守るヒーローになる展開が無理なく組まれていてよかったところ。
勇太に恐怖させておしまいではなく、リョウマとともに立ち向かっていく展開が秀逸です。
そしてリョウマは無事に基地破壊を終えた勇太を逃し、たった1人で傀儡太夫を傷だらけになりつつも、炎一閃で撃墜。
どれだけピンチに追い込まれでも諦めず底力で対応してみせるリョウマの強さが示され、傀儡太夫は「ギンガレッドを倒せ」と最期の命令。


そのままバルバエキスを飲んで巨大化したところをハヤテたちが久々の生星獣バトルで倒し、リョウマを救いに駆けつけるとリョウマはすでに爆発に巻き込まれた後だった。
死んだかに思われたリョウマだったが、その直後に何者かが気絶したリョウマの体を肩に担いで現れる。
騎士のような出で立ちは果たして何者なのか?という上手い引きとともに次回へと続いていきます。


強きヒーローが無力な子供を教え導くというヒーローものの定番を下敷きにしつつ、「ヒーローにとって本当に大切なものは何か?」という普遍的なテーマを説いた名作回。
バルバンが引き起こす未曾有の爆破テロ、勇太にとって恐怖の対象でしかないヤートット、さらに4人を圧倒するブドーの強さと物語のテンションが非常に高くなりました。
この後の展開はさらにリョウマが勇太に教えたことを補強するような展開になるのですが、その前振りとしても機能しており、評価はS(傑作)

 

第十八章「謎の黒騎士」


脚本:小林靖子/演出:長石多可男


<あらすじ>
爆弾人形の自爆に巻き込まれたリョウマは死んだかに思われたが、黒騎士ブルブラックと名乗る謎の人物によって救出された。リョウマは仲間たちに看病されながらうわ言で「兄さん」とつぶやき、ハヤテたちは黒騎士の正体が何者かという推測を巡らせている。一方ブドーはギンガの光が姿を潜ませる場所として「砕かれない硬い物」を指定し、魔人壊力坊を呼び出して鬼の石を手に入れるように命令する。その後目覚めたリョウマは黒騎士に助け出された時に懐かしいヒュウガの感覚を思い出し、もしかしたら黒騎士の正体がヒュウガではないかと思いつめるも、以前それがモークに弱点だと指摘されたことでなかなか言い出せないでいた。


<感想>
さあ来ました、ここから第二十六章まではギンガの光争奪編に加えて黒騎士ブルブラック編となります。
今回はギンガマン以上の戦闘力を持つ黒騎士ブルブラックという謎の第三勢力に加えて、バルバン側もどんどん強さを増していき、ギンガマンが苦戦し始める展開。
特に黒騎士の正体を巡ってリョウマ以外のメンバーがリアクションを立てる反応やリョウマとサヤとのやり取りなど、見所は実に多いです。
まず前回の続きからですが、満身創痍の中で1人戦い抜き、ビル爆破レベルの爆弾人形の攻撃を食らっても死なないリョウマはもう異能生命体レベル


あれか、「ビルは壊せても、たった1人の人間は壊せないようだな」というどこぞのサイヤ人か…やっぱりギンガマンは誇張抜きで戦闘民族・サイヤ人レベルの肉体と戦闘力を持っていると見ました。


「私は黒騎士ブルブラック」


凄まじいジャンプ力を見せるのですが、挙動の効果音といいデザインといい、高寺Pが参加していた「仮面ライダーBLACK」「仮面ライダーBLACK RX」のオマージュキャラでしょうか。
黒騎士の正体に関して議論するメンバーですが、ここで各メンバーの反応がそれぞれに違っているのも小林女史らしいしっかりしたキャラの書き分け。
勇太が「リョウマを助けてくれたからいい人」、ヒカルが「油断も信用もならないやつ」、ゴウキが「リョウマの命の恩人」、そしてハヤテが「判断材料が少ないから保留」となっています。
一方で意見しなかったサヤはリョウマを看病しつつ、リョウマがうわ言で「兄さん」とつぶやいたのを聞き逃しません。


バルバン側では次の作戦をブドーが発表するのですが、ここでもブドーと樽爺のやり取りに注目です。


「砕かれぬもの?つまりは「硬い」ということじゃな。わかったぞ!ダイヤモンドじゃ!」
「そこまでは素人でも考えつくことでござる」
「ブドーの奴、あのもったいぶった態度我慢できん」


ここで改めてブドーという幹部のいやらしい部分が露呈しており、いわゆるブドーは「出来すぎる嫌味なやつ」であって、可愛げがないんですよね。
船長は「裏切る心配だけはない」と言っていますが、ブドーは一見優等生気質かと思いきや、優等生すぎて自分はなんでもできるという思い込み・慢心が見られます
おかげでブクラテスやシェリンダの反感を買っており、サンバッシュはまだ「バカ故に制御しやすかった」ということで、可愛げがあったのでしょう。
これが積もり積もって第二十三章と二十四章に繋がっているのだと思うと、徐々にバルバン内部の静かな軋轢というか崩壊の兆しが見えています。


「大槌に さしもの石も 砕け散り」


一方、ギンガマン側では傷を完治した(凄まじい生命力の)リョウマが1人で考え込んでいます。


(あの時、俺は……何故か、兄さんに助けられたような感じがしていた。声も姿も違うのに、兄さんだと思えた。もし言えば、またみんなをいたずらに期待させるだけだ)


ここで第十三章でモークがリョウマにした助言がリョウマの心の呪縛となるのが面白いところで、改めて黒騎士登場に伴いリョウマの心の悩みが浮上。
それを見つめるサヤもまた綺麗な表情になっていてちょっとあざといのですが、ヒュウガのことになると目の色が変わるのがわかりやすい2人です。
ただ、どっちの方がキャラとしてより立っているかとなると、それはもちろんリョウマだよなっていう(笑)
敵側も味方側もそんな鬱積が積もりつつ、気がつけば黒騎士とバルバンが石を巡って争うことに。


「それを渡すんだ。怪我はさせたくない」


海賊ならぬ山賊みたいなチンピラ行為を白昼堂々と行っている黒騎士ですが、声や演技はすごく渋くてかっこいいのに、やってることが完全な悪党というギャップ。
いわゆる第三勢力なのですが、その強さは圧倒的でギンガブルーの怒りのパンチすらも余裕で跳ね返すという圧倒的な強さを見せます。
実力だけでいえば、黒騎士はギンガマン5人以上ですが、この後判明する正体を思うと、この強さにも納得です。
その後、今度はリョウマとサヤが一対一で黒騎士の正体についてやりとりを行う。


「前に一度、戦いの中で兄さんの声を聞いたような気がした。そして今度は黒騎士を兄さんのように感じた。声も姿も違うのに」
「それじゃやっぱり!」
「でもそれだけだ」
「1人で考え込んでるなんてリョウマらしくないよ!」


ここで改めて第一章から用意周到に貼って来た伏線が綺麗に積み重なり、リョウマの心の弱さである「ヒュウガへの憧れ」をサヤと共有することに。
その上で黒騎士はやっぱりヒュウガなのではないかと予測を立てるのですが、ここまで第一章以来直接的な絡みのなかった2人をしっかり絡めています。
やっぱりこの2人が話すとすればヒュウガ関連しかないのですが、悲しいかな既にサヤは女子力やヒロイン力で勇太やゴウキに負けているのです。
もう物語も2クール目に入り始めて基礎を終えた段階なので、ここでまだキャラの方向性が固まっていないサヤが巻き返すのが厳しい状況に。


そのあとはギンガマンと海力坊との戦いなのですが、ここのアクションシーンもまた見所満載ですごくかっこいい。
しかし、その硬い石にはギンガ獣撃弾がまるで効かず、また単独でのスペックも高く、ギンガマン5人でも敵いません。
単なるやられ役ではなく、単独で圧倒的な強さと判断力を兼ね備えているのですが、リョウマにとどめを刺そうとしたところに飛んでくるクナイ。
ここで改めて陽炎とともにゆったりと歩いてくる第三勢力としての黒騎士がかっこよく、ギンガマン5人を完全に食ってしまう存在感を発揮。


「また貴様か!こやつらに味方するつもりか!?」
「いいや、ただ貴様らバルバンの思い通りにさせたくはないだけだ。それより、貴様の持っている例の石、渡してもらおうか」


モチーフが「闘牛」ということもあってか、音楽が和風からスペイン系の音楽に変わっているのですが、ここからの黒騎士の殺陣がめちゃくちゃかっこいい。
静かにブルライアットを抜き、ヤートットを次々と逆手の剣で蹴散らし、ギンガレッド以上の鮮やかな戦闘力をここで披露するのです。
それまで黒騎士の正体が何者かで議論してたリョウマですが、「違う、兄さんの剣捌きじゃない」と判断するのが実にいいなと。
リョウマとヒュウガが順手、黒騎士が逆手という形でしっかり色分けしているのがいいところで、さらにガンモードで蹴散らすシーンは痺れるかっこよさ。


「貴様、なぜギンガの光を狙う?」
「3,000年前、ギンガの光を地球に持ち込んだのはこの私だ。貴様らを倒す為に!」


なんと、サンバッシュに3,000年前にやられたのが黒騎士だったことが判明し、第十二章の謎が1つ解けると共に新たな謎が生まれることに。
そこからの黒騎士と海力坊の一騎打ちが小林女史お得意の時代劇趣味炸裂で、ぶっちゃけ殺陣のレベルなら「シンケンジャー」以上の迫力。
弁慶の刀を左手でブロックし、すかさず居合術で連続攻撃を浴びせ、3回蹴って空中回転し、必殺技を決める!!

 

「黒の一撃!!」

 


その強烈な一撃はギンガマンですら割ることができなかった石を見事に真っ二つにし、渋く決める。


「ギンガの光ではなかったか」


完全にギンガマンをかませ犬扱いしてしまいましたが、それを納得させるだけのビジュアルと戦闘力の高さを黒騎士が見せつけます。
まあギンガマン5人に関してはここまで散々強さを描いて来ているので、中盤に差し掛かった段階でこれだけやってもそうそう食われることはないだろうという信頼が見えます。
しかし、等身大戦では完全に黒騎士に分がありましたが、巨大戦になるとすかさず星獣たちを呼び、ギンガイオーで圧勝し、なんとか格を保ちました。

 

「成る程、少しは戦えるようだな」


そして黒騎士は改めてギンガマンに真実を話し、3,000年前に地球に降り立った黒騎士がバルバンにやられたのは満身創痍だったからというフォローが入ります。
その上で、ギンガの光を手放すしかなく、サンバッシュには偽の隠し場所を教えて崖から転落したとうまい伏線回収。
この崖から転落というのが実はさらなる伏線となっているのですが、単なる追加戦士登場ではなく、そこにリョウマやヒュウガの存在をしっかり絡めているのが見事。
その上でギンガマン5人以上の戦闘力を披露し、巨大戦ではギンガマンが勝つという形でバランスよく収めており、強さのインフレとしても納得です。


その上でリョウマのコンプレックスにしっかりと踏み込み、ここから二十六章までかけて爆発していくことになるものをしっかり仕込み終えました。
ここからはどんどん大枠を動かしにかかり、黒騎士のキャラクターと共にリョウマの内奥がどんどん露呈することになりますが、まずはここまで。
評価はS(傑作)であり、前回で跳ね上げた物語のテンションを見事に維持して見事なジャンプアップとなりました。

 

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