明日の伝説

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スーパー戦隊シリーズ33作目『侍戦隊シンケンジャー』(2009)31・32話感想

 

 

第三十一幕「恐竜折神」


脚本:小林靖子/演出:中澤祥次郎


<あらすじ>
シタリは薄皮太夫が組織を離れてしまい、アクマロが幅を利かせていることが気に食わないので、気晴らしに船の外を歩いているとある物を見つける。一方現実世界では、とある病院に入院していた竜也という少年が医者に隊員が近いといわれて喜んでいると、そこにアヤカシが襲いかかってきた。命辛々逃げ伸びた看護師は源太の屋台を訪ねてシンケンジャーに救援を依頼するが…。


<感想>
ここから3話連続でまたもや玩具販促なのですが…もうね、ここまで玩具販促の物量を詰め込まれると胸焼けがします
流石に前回のあのクオリティとは違い「シナリオ」には一応なっていました…まあ「ストーリー」にまではなってないのですけど。
とはいえ、内容的にどうだったかといわれると、個人的には微妙というか、やっぱり玩具販促と物語がうまく連動してないという違和感は拭えません。
本作は「アンチ00年代戦隊」を志向しているのに、こういうダメなとこだけ00年代戦隊を真似てしまったなあという感じです。


話の内容としては病院を襲った看護師と少年を腐れ外道衆が人質に取ってシンケンジャーを誘き出すというものでしたが、問題は「なぜ病院の少年と看護師でなければならないのか?」という必然性のなさにあります。
というか、やってることがショボいんですよね外道衆って…それに輪をかけたのが今回の話なのですが、そもそも外道衆と腐れ外道衆が「臭い」以外にどう違うのか全くわかりません
はぐれ外道衆はまだわかるんですよ、「外道に堕ちながら人間の体を持っている」という、いってみれば「仮面ライダー555」のオルフェノクみたいなものですから。
そういう平成ライダー的な要素を部分的にもテーマとしても取り込んでいるのはわかりますが、問題はそこ以外の設定の詰めがかなり甘いということです。


あと、恐竜折神も劇場版で出て来ましたけど、もっと劇的に登場するのかなと思ったらごく当たり前のごとく登場してしまったので、ドラマとしての色気もへったくれもありません
一体劇場版がどの時系列の話なのかはわかりませんが、どうにも恐竜折神とインロウマルの設定が衣装のパワーアップも含めて被り気味なので、うまく差別化できてないのが難点です。
というか、もしインロウマルが手に入る前に恐竜折神があったのであればわざわざインロウマルを開発する必然性が薄いですし、インロウマル入手後に手に入ったのであればどうして今まで誰も使わなかったのでしょうか?
例えば今回の話にしたって丈瑠が恐竜折神を使うのであれば他の誰かがインロウマルを使ってもいいし、逆に丈瑠がインロウマルを使うなら他のメンバーが恐竜折神を使ってもいいはずです。
それに加えて、ダイゴヨウ、更に次回は牛折神の販促まであるわけで、物語に対して玩具販促が過剰すぎてイマイチ乗り切れません。


この辺り、やっぱり90年代後半くらいが物語と玩具販促のバランスが一番よかったころというか、物語の中でしっかり玩具販促の意味づけを無理なく行えてましたからね。
ドラマ的に意味があるとすれば、源太の本気の怒りとヒーローぶりを描いたところでしょうか。

 


「馬鹿な…!なにがなんだかわからん。何故あの状態から形勢逆転されているのだ!?」
「簡単だ、てめえらが誰の為にも戦ってねぇからだよ!」


いや、流れで見ていくと形成逆転されたのはどう考えても恐竜折神という圧倒的な武力によるものであって、本作の強さの根拠はあくまでも丈瑠を中心とした圧倒的な侍の強さにあります。
普通の戦隊ならそこに「知恵」とか「チームワーク」とか色々な要素を付け加えるのですが、本作はもうシンプルに「圧倒的な武力」故に強いという身も蓋もない結論に(笑)
なるほど、これもまたある意味では終盤の伏線になっているというか、結局力押しなのだなあというのが見えてしまい複雑な気分に。
アクション自体は凝ってて面白かったので、評価としてはまあC(佳作)位じゃないですかね。


第三十二幕「牛折神」


脚本:小林靖子/演出:中澤祥次郎


<あらすじ>
ある日のこと、シンケンジャーたちの相棒の折神がいつの間にかいなくなっている。慌てて探したところ、屋敷に潜り込んでいた少年のところになぜだか集まっていた。その少年は榊原ヒロという角笛の山から来た少年であり、名前を聞いた彦馬爺は牛折神の名前を口にする。アクマロはその情報を聞きつけ、角笛の山を訪れ封印された牛折神の力を悪用しようと計画していた。


<感想>
開始早々突っ込ませてください…志葉家ってザル警備じゃね!?


いや過去に源太に侵入されたことといい「近日見参」という矢文を飛ばしたことといい、そして今回の榊原少年といい、どうしてこうも警備が手薄なのか?
こういう時のために黒子がいるんじゃないのかと思ってしまうのですのが、アヤカシ以外は人畜無害だからということで放置されてしまっているのでしょうか?
これならまだギンガの森の方が一般人すらも入れないように厳重な結界が貼られているという設定にした方が説得力があります。


で、今回の話のポイントは牛折神ですが、榊原少年の演技が多少棒読みなのはまあ仕方ないとして、牛折神ってなんの為に作られたのでしょうか?
インロウマルはまあ外道衆対策だと納得できるのですが、その外道衆対策とは全く関係ないところで作られたトンデモ折神という設定なので、解釈に困ります。
しかもヒロ少年が勝手に起動させて暴走させる…ヒロ少年、一気に本作の戦犯になってしまいました!


えーっと、まあ玩具販促のためなのですが、外道衆と戦う5つの家柄以外にもモヂカラに優れた家系があることが源太などを通して判明しています。
榊原家もその家系なのでしょうが、確かに今までの折神たちと比べても凶暴度といいスペクタクル感といいはじめて折神に「凄い」と感心しました。
しかし、侍の家系でもないのにこんな物騒なものを開発していたなんて、よく幕府のお偉方に目を付けられずに済んだなと
榊原家が何を目論んでいたのかは知りませんが、そりゃあ丈瑠も却下するはずですよ…こんな危ないもの丈瑠たちでも持て余してしまいますし。


あとこれはもうデザインの設計上仕方ないのかもしれませんが、あまりにも玩具玩具したデザインすぎて他の牛モチーフのロボと比べてもカッコ悪いです。
歴代戦隊で牛モチーフというと、本作以前ではブラックバイソン、黒騎士ブルブラック、ガオブラックあたりが挙げられますが、いずれもロボットはかっこいいデザインでした。
本作の牛折神は江戸時代の牛という和風のデザイン自体はいいのですが、後ろの車輪がダサくて、他の折神もそうなんですけどデザインがダサすぎます
まあ戦隊ロボのデザインは年々落ちていっているのから仕方ないのでしょうが、その予兆は本作あたりから見えていました。


一方、外道衆の方では薄皮太夫が欠けた裏正を回収し、十臓復活に向けて動いているようですが、その辺の物語がうまく連動しません。
一応アクションなどは過不足な入っていたのでいいんですけど、やっぱり評価はC(佳作)であり、またもや中だるみに突入です。

 

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